レシピ

2006年5月28日(日) 01:17

意味づけ論の転回

「ラーメン屋のオヤジ理論」


人間の発話/会話・ないしは文章が事前のコンテクストによって成り立っていることを分かりやすく説明するための話。


この発話で如何なる状況が想像されるだろうか。
「オヤジ ラーメン。」

基本として省略は少なければ少ないほど理解が進む。
そのため、字数だけでいくと助詞「は・が」を省略した「オヤジ=ラーメン」と取ることもできる。

が、オヤジがそのまま食物のラーメンとなることは考えにくい。

一番考えやすい状況は主語と述語の省略で、
「オヤジ (わたしは)ラーメン(を喰いたいので注文するぜ!)」だろう。
だが、ここまでドラスティックに省略した場合は文解釈における文脈の冗長性が高いために気をつけたいところである。
(ドラえもんのような”人間の頭脳”を持ち合わせ、発話を行うコンピュターが難しいのはこの冗長性のおかげでコンテクストのパターンが無限大に存在するからで、然るに単純なパターンのマッチング以外の発想形態を考えなければならないからである。詳しくはAI研究している人にでも聞け<ここまで言っておいて不親切ww)

この省略が許されるのは「店内」というコンテクストが共有されているからであり、例えば電車内で発話すれば楽しい人と見下され、見知らぬサラリーマンに発話すれば危ない人という烙印を押されるだろう。
葬式の場で遺影に向かって発話すれば「お世話になったあの人のラーメンを思い出し、故人を偲んでいる」というシチュエーションにも早変わりだ。
(その場合「オヤジ (また食べたかったぜ、あんたの)ラーメン・・・」となるだろうが。)

省略を差し挟んでも発話の意図が汲めるのはこの”コンテクストによる意味づけ”がなされていることはこういった話からお分かり頂けただろう。

ちなみに、これは「先生、トイレー!」を叱り付けるときの有効手段としても使えるので要注意だ!>学生諸君


(上の話全部証明じゃないと言うツッコミはさておき)

written by sofuwe [授業・研究] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)]

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