レシピ

2006年1月22日(日) 02:38

ふくしゅう。

論文用のふくしゅう。
(旧レシピから保守。)

(つづきは上記リンクから。)


 インターネットを飛び交う”情報”の性質ってたくさんあるのだろうけれども、その構造を私は「A」「非A」で分けようと思い、インターネットの黎明期から求められ、交換されていた”インテリジェンス”と、非インテリジェンス即ち”アンインテリジェンス”で区分してみた。例えばインテリジェンスは情報の中の”諜報”という位置づけで戦略に使ったり生活をするための意思決定に使われたりする情報を指し、お笑いとかポルノとか、こういったものがアンインテリジェンスだ。アンインテリジェンスによってつながった人たちをアンインテリジェンスコミュニティとも呼ぶことにした。勝手に。インテリジェンスと情報という点で同じ要素を持つアンインテリジェンスは、昨今情報化社会よって”急成長”しつつある。(手軽に、高速で、いつでもどこでも、不特定多数に扱えるようになった、という意味での成長。好意的とも悪いともしていない。)

 だけど「電車男」、「マイヤヒののまねこ」なんか2chという日本のアンインテリジェンスの総本山みたいなところで生まれた”ネタ”も、いろんな人が最初に投下されたネタにインスパイアされ、アンインテリジェンスコミュニティ内で創発がおき、いつのまにか市場にまで担ぎ出されていった。ここまで来るとアンインテリジェンスも企業の市場戦略や国家の法制度(例えば著作権法整備)にまで影響を及ぼすインテリジェントとなりえている。

 このアンインテリジェンスの膨張、突き上げがインテリジェンスを脅かす構造は、別段アンインテリジェンスによるインテリジェンスの排斥ではなくて、単に二項対立で終わらせるだけでない「Aであり且つ非Aである」「Aでなく且つ非Aでもない(そんなものがあるかどうか分からんが)」という境界(リーメン)の存在を意味する。カーニヴァル化する人たちは日常から非日常に移って「ハレ/ケ」の温度差を楽しむために普段の「自分が立っている立ち位置」とその未知の未知である「境界」の行き来をするのだろう。
 この境界の線引きが秩序で、せめぎあいによって次第に固着化して風習だとか文化だといった言葉で裏づけされてしまうのかもしれない。

 さておき、アンインテリジェンスがあるからこそのインテリジェンスとのせめぎあい、活発な活動と境界上での祭なのであって、センシティブな民間企業なんかはマーケッティングやリスクマネジメントなどで対応するようになってきている。ただ、企業やインテリジェンスコミュニティなどが行っている創発はサイクルをまわすために資本主義の燃料たる”資金”が必要で、アンインテリジェンスコミュニティによる―VIPSTARとか、一見くだらなく見えるかもしれない―創発は”面白ければいい”という”ネタ”が燃料で、サイクルをまわし続けるのが用意ではないかと考えた。(今のところインテリジェンスに近づいたアンインテリジェンスに資本の原理を持ち込もうとして失敗しているケースが目立つが、それはまた別のお話。)

 ”ネタ”を燃料にしてサイクルが回り続け、創発がいつまでも続いていくのならば、創発とは持続可能であるということが証明でき、やはり持続させるのは困難なのではないかと弱り果てていた”インテリジェンスによる持続的な創発”の何かヒントになるかもしれない。コレは誰か喜ぶぞ。(誰かが「ネタ投下の神」となってしまい、創発のキーファクターになることで創発が創発でなくなる、ということも考えられるし、そもそも社会に手を加えるということ自体がだいそれていておこがましいかもしれないので憚られるかもしれない。本当はこの辺でやめといた方がいいかもしれない。だ が 断 る。といっても実際には手出しではなくてきっかけを与えてひたすら観察する、という立場だしたった一人の人間が介入しただけで必ず大きく変わってしまうのでは社会とは呼べないだろう。何がどのようにどの程度影響を及ぼすのは予測はできても予言はできないからだ。そこんところ、カオス理論を参照だ。)

ということで、
・如何に安定して”ネタ”を投下し続けられるか、という技術的な考察と、
・投下し続けたところで本当に創発はずっと続くの?という理論的且つ納得のいく結論
が必要だ。

 私は前者はプラットフォームの整備が肝心であると考えており、ネタであるならばたとえば「まとめサイト」がそれにあたるのではないかと考え、それを追うことにした。アンインテリジェンスコミュニティが創発を続けるためのプラットフォームとしてまとめサイトがある。要は「創発のプラットフォームとしてのまとめサイト」研究だ。できればそれを追うことで後者の結論を模索していきたい。(場合によっては永続はしないと判断するかもしれない。)時間があれば後者も追いたい、ということだ。

 つまりリサーチ・クエスチョンとして「何かしらの燃料(そのコミュニティが価値観を見出している何か)を投下し続ければ創発は持続する。」ということで、んでその単純な仮説としては、「燃料を投下し続けるアーキテクチャをもつプラットフォームを整備できれば創発は持続する」ということで、要はそのケースとして「”ネタ”を投下し続けるための”まとめサイト”でアンインテリジェンスコミュニティの創発が活発化する」過程を追うのである。←今ここ。


 秩序形成がどうなってどのような規範ができようが知ったこっちゃないが(おい)、アンインテリジェンスが世の規範なんか作っちまったらそれはそれで面白そうだ。最後のこの発言は論文とか関係ない、ちょっと危険思想。

written by sofuwe [授業・研究] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)]

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